iサイクル研究室に騙されるな!FX初心者にはとても耐えられない運用方法ですよ
2016/09/17
外為オンラインのホームページで確認できる「iサイクル研究室」
これは過去の値動きを基に「もしiサイクル注文をこの設定で注文していたらどのくらいの損益になるか」という、いわゆるバックテストの結果です。
iサイクル注文を始め、こういったトラップトレードってバックテストの方法がとっても難しいんですよね。
それこそMT4(メタトレーダー4)で独自にシステムを開発できるくらいのスキルがなければムリなので、こういったバックテストの結果を載せてくれるのはとてもありがたいですね。
iサイクル研究室を覗くと、2016年9月9日現在で第1位に輝いている通貨ペアはユーロドルの売り(注文間隔10pips)。
バックテスト開始期間が2014年11月1日ですから、およそ2年間で累積利益200万円超え!
対象資産が1000万円ですから、年利換算でプラス10%強の収益結果です。
でもちょっと待ってください!
あなたがもしiサイクル研究室の結果だけを見て取引を考えているとしたら、それはとても怖い取引をすることになるかも知れませんよ。
iサイクル研究室の結果から見える危ない取引
上図はiサイクル研究室の累積ランキングベスト5です。
それではいきなり質問です。この中から実際に自分のお金で運用しなきゃいけないとしたら、あなたはどの通貨ペアを選択しますか?
このあと通貨ペアが上がるか下がるかは別にして、ボクなら迷わず第3位のユーロ円30pipsを選びます。
全体の収益ならもちろん第1位のユーロドル10pipsを選ぶのが正解ですが、この収益が今後も続くかどうかというのは別物ですよね。
前回の記事でも書きましたが、リスクとリターンというのは表裏一体です。
期待リターンが20%ある投資商品というのは裏を返せばマイナス20%の損失を被る可能性を大いに秘めているわけで、これから投資をしようと思うのなら一番に考えなければならないのが「自分の資産を守ること」です。
ですからリスクの高い投資は避けていくのが賢明です。
第1位のユーロドル10pipsは1000万円の資産に対して対象資産400万円を使用しています。
またポジション間隔が10pipsなのでバンバン利益が積み重なっていくのと同時に含み損もバンバン増えます。
FX初心者が耐えられない「大きな含み損」
下図はユーロドル10pipsの累積収支画像です。
開始直後は良い感じに収益が上がっていくのが分かります。
しかしその後2015年5~6月付近で一気に落ち込んでいます。
そこから持ち直して現在はプラス200万円強といったところです。
サイトにて確認をしてみたのですが、2015年4月10日にプラス2,881,114円を付けた後にたった1か月後の2015年5月15日にプラス196,710円まで、まさにジェットコースターのような負けっぷりです。
トータルでプラスだからいいんじゃないの?
と考える方もいらっしゃるかと思いますが、1ヶ月の間に約200万円の損失を耐えることができますか?
正直恐ろしくてやってられないと思います。
こういった利益の落ち込み幅のことを「ドローダウン」といい、バックテスト結果の中で一番落ち込んだ場所を「最大ドローダウン」といいます。
最大ドローダウンを知って投資に活かす
参考までiサイクル研究室ベスト5にある通貨ペアの最大ドローダウンを調べてみました。
EURUSD 20pips -1,427,073円
EURJPY 30pips -670,980円
USDJPY 20pips -1,311,674円
EURJPY 20pips -1,992,833円
冒頭で説明した通り、リターンとリスクの関係がご理解いただけたかと思います。
iサイクル注文自体は非常に優れたシステムで、すでに特許を取得しています。
ですが使い方を間違うと通常のトレード同様に大きな損失を被る可能性があります。
常に仕掛けをする注文方法でしかも自動なので、もしかしたら通常のトレードより損失額が膨らむかもしれませんね。
iサイクル注文は両建てと三つ巴で戦え!
このようにiサイクル研究室と同様のポジションを取ると「利益は上がるかも知れないけど損失も覚悟する必要がある」ことが分かったかと思います。
iサイクル注文は「想定内のレンジ幅に収まるかどうか」という投資をしているわけですから、それを外したら損失の可能性は十分にあります。
以下の画像を見てみてください。
※縦軸は損益・横軸は期間です
これは逆相関・無相関・三つ巴それぞれの1年間の損益グラフです。
グラフといっても単純に買い持ちしただけのものですが。
逆相関にはEURUSDとUSDCHFを使用(相関係数-0.91)
無相関にはEURUSDとGBPUSDを使用(相関係数-0.14)
三つ巴にはEURUSD・GBPUSD・EURGBPを使用
青色のグラフは逆相関、橙色は無相関、赤色は三つ巴の損益状況を示しており、逆相関が一番損益が安定しているのが分かると思います。
この「損益が安定している」というのがiサイクル注文ではかなり重要なキーワードとなり、レンジ相場で威力を発揮するiサイクル注文には最適な環境ともいえます。
とはいえ両建ての場合、もし一方方向に強烈なトレンドが発生した場合に、どちらかの注文が損切に遭うことになり、反対ポジションの利益だけでは賄いきれないこともあります。
ですからそのリスクヘッジとして三つ巴ポジションを構築して、さらなるリスクヘッジを図るのが今のところボクの中では最強のiサイクル注文の手法だと思ってます。
両建てで1402連勝したiサイクル注文はこちら
三つ巴ポジションの説明はこちら
いま現在はひさしぶりにiサイクル注文の実験を再開したばかりなので三つ巴ポジションしか持っていませんが、今回の実験が終了したら次回は「両建て&三つ巴」でのポジション構築で実験をしていく予定です。